【VRChat】初心者でも大丈夫!写真のレタッチ基本テクニックを紹介!

VRChatで撮った写真をそのままSNSにアップロードしてもいいけど「もうちょっとアバターを目立たせたい!」「雰囲気を映画っぽくしたい!」なんて思ったことはありませんか?

これらの悩みは『レタッチ』(画像加工)で解決することができます。

この記事では「Photoshop」「Clip Studio Paint」を使用して解説しますが、基本的なテクニックは他のソフトでも同じように使うことができます。
「ソフトが違うからできないかも…」と心配する必要はありません!

PhotoshopやClip Studio Paintには、他のソフトではできない特別な機能もあります。
記事の一部でそれらの機能を使用している場面もあるのでご注意ください。

なつきなつき

ここで解説しているのは、あくまで一例であり「私流のレタッチ手順」です。
実際にはソフトや作風によっていろんなアプローチがあります。
この記事をきっかけに「自分ならこうしてみたいな」と試してもらえたら嬉しいです。

レタッチとは?

レタッチ前
レタッチ後

レタッチとは、写真やスクリーンショットに対して後から手を加えて見た目を整える作業のことです。以下のような修正作業があります。

  • 明るさを調整する
  • 色味を整える
  • 余計なものを取り除く

VRChatの写真はそのままでもうまく撮影できる時もありますが、ワールドのライティングや環境によっては「アバターが暗くて見えずらい」「背景とアバターの色が被って目立たない」といった惜しい写真になることがあります。

ここでレタッチを加えると「キャラを明るくして映えるように」「背景をぼかして奥行きを出したり」といった調整ができ、写真が「作品っぽい一枚」に生まれ変わります。

レタッチの基本

レタッチと聞いて難しそうと思う方もいらっしゃると思いますが、難しいテクニックではなく「明るさ」「色味」「背景」「不要物」の4ステップを抑えることで誰でも行うことができます。

VRChatの写真を例に一つずつ解説してきます。
レタッチしたい写真を準備して一緒に作業を進めていくことで、レタッチの効果がわかりやすいと思います!

トーンカーブの基礎

レタッチを始める前にトーンカーブについて知っておく必要があります。

Photoshopではコントラストやシャドウを直接調整することができますが、Clip Studio Paintではトーンカーブを使用して調整していきます。
このトーンカーブは初めての方では調整が難しいので、どの部分を変更するといいのかわからなくなりがちです。

斜めの線の位置で調整できる部分が変わってきます。
左下がシャドウ、中央が中間色、右上がハイライトのようになっています。斜めの直線に点を追加して、移動させることで調整することができます。

明るさの調整

まず、最初に行うのが明るさの調整です。写真でいう「露出補正」と同じでレタッチの最初の一歩です。

初心者の方向けに用語の解説を用意しました。
“コントラスト”と言われても何かわからないという方は用語を確認した上で進んでください。

用語と役割の解説
  • 露光量(Exposure)
    画像全体を等倍的に上下。まず“全体の明るさ”を決めるノブ。
  • 明るさ(Brightness)
    中間調中心に持ち上げる傾向。露光よりも「ふわっと」上がる。
  • コントラスト(Contrast)
    明部をより明るく・暗部をより暗くしてメリハリを付ける。
  • ハイライト(Highlights)
    明部だけを下げたり上げたり。白飛び抑制や光沢感の調整に。
  • シャドウ(Shadows)
    暗部だけを持ち上げる(つぶれ救済)/締める(引き締め)。
  • 白レベル(Whites)
    ヒストグラム右端=いちばん白い点の位置決め。光を伸ばす。
  • 黒レベル(Blacks)
    左端=いちばん黒い点。締まりとコントラストの土台を作る。
  • ガンマ / レベル補正
    黒点・白点・中間点(ガンマ)で中間調の重心を決める。
  • トーンカーブ
    明部/中間/暗部を独立に微調整できる最強の微整形ツール。

次に、写真によってレタッチする際の明るさの調整について注意点が違うのでご紹介していきます。

ここでは、昼(明るい系)の写真と夜(暗い系)の写真で解説を用意しました。
明るい系と暗い系でだいぶ調整の仕方に違いがあるので、気になる方は見てみてください。

写真によって意識する点の違い

昼の写真で意識して欲しい点

昼は光が強く、明部が飛ぶ、陰影の硬さ、ホワイトバランスの不安定さがでやすいです。

問題点意識すべき補正実戦のコツ
白飛びハイライトの抑制露光を抑えて、ハイライトをマイナス補正する
強すぎる陰・コントラストシャドウの持ち上げ・中間色調整シャドウを持ち上げて影を柔らかくして中間トーンの階調を意識する
色かぶりホワイトバランス補正・カラーバランス調整晴天なら青みを入れる
屋外や草地なら緑の被りを抑える
空や雲の階調空を切り出して別で補正空は明るくて飛びがちなのでマスクを使用して抑制する
被写体の色あせ彩度の軽い強調被写体が背景に埋もれないようにアバターや衣装の精度を上げる

夜の写真で意識して欲しい点

夜は暗いだけでじゃなく、光源、ノイズ、色味の偏りが大きな問題点となります。

問題点意識すべき補正実践のコツ
ノイズシャドウを持ち上げすぎないシャドウを上げすぎるとノイズが目立つのでマスクなどを使用する
光源のにじみハイライトの抑制ハイライトを下げて、光源として輝きを残したい部分にマスクを使用する
色味の偏り色温度補正暖色や強いなら寒色よりにする
(逆も気を付ける)
暗部の潰れシャドウ救済・黒レベル調整シャドウを持ち上げて情報を出す
白っぽくなったら黒レベルを下げる
空の扱い空だけ別処理・ノイズ調整夜空などはノイズがのりやすので、マスクで処理する

次の段落から実際の”明るさの調整”に関するレタッチの手順を説明していきます。
本記事では「露光量」→「ハイライト」→「シャドウ」→「コントラスト」の順番でレタッチを行なっていきます。

露光量(Exposure)

ここでの狙いは、画面全体でアバターがわかるようにすることです。ここで明るくしすぎると白飛びや彩度過多になりやすいので注意してください。

Photoshopの場合
  1. 画像レイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」
  2. 「フィルター」→「Camera Raw フィルター」を開く
  3. 露光量のスライダーで調整する

ワンポイントアドバイス:
露光量は上げすぎると白飛びしてしまいます。+1.0程度で調整してください。
Altキーを押しながらスライダーを動かすことで、変更されている部分を確認することができます。
また、後ほど行うシャドウの調整の方が質感を壊しません。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「レイヤー」→「新規色補正レイヤー」→「レベル補正」を開く
  2. 中央のガンマを調整する(左で明るく、右で暗く)
  3. 必要に応じて色点(下の右三角)を調整する

ワンポイントアドバイス:
顔や髪などの細部が見える程度に調整してください。
また、明るくしすぎて白飛びしないように気をつけてください。

ハイライト(Highlight)

ここでの狙いは、明るい領域(肌の光沢・髪のハイライト・ブルーム)だけを調節し、白飛びの抑制や光沢の質感調整を行うことです。

Photoshopの場合
  1. Camera Rawフィルターを開く
  2. ハイライトを徐々に下げて、飛んでいる部分の階調を戻す
  3. 髪や衣装の艶の無くなってしまっている場合は、「被写体選択」→「マスク」を作り、特定の部分のみを調整する

ワンポイントアドバイス:
この処理は基本的に、露光量の調節で背景や明るくなりすぎた場合にそれを抑えるために行います。なので、アバターなどはマスクをかけてハイライトを抑えないようにしてください。
動画では被写体選択でマスクを作成していますが、必要に応じてブラシなどを使用してください。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「レイヤー」→「新規色補正レイヤー」→「トーンカーブ」を選択
  2. 右上にアンカーポイントをつけて少し下げて飛びを抑える。
  3. ハイライトを戻したい部分は、レイヤーマスクを消しゴムで選択する

ワンポイントアドバイス:
動画では時間の都合上、アバターの顔のみレイヤーマスクで指定しています。なので、皆さんは目や衣装の反射が残るように調整するようにしてください。

シャドウ(Shadows)

ここでの狙いは、暗い領域だけを持ち上げて立体感を作ることです。上げすぎると写真がモヤっとしてしまうので気をつけてください。

Photoshopの場合
  1. Camera Rawフィルターを開く
  2. シャドウのスライダーを調整する
  3. ノイズ感やモヤ感が出たら、白・黒レベルを調整してコントラストの芯を戻す
Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「レイヤー」→「新規色補正レイヤー」→「トーンカーブ」を選択
  2. トーンカーブの左下を少し上げて調整する
  3. シャドウを戻したい部分は、レイヤーマスクを消しゴムで選択する

コントラスト(Contrast)

ここでの狙いは、全体の明暗差を強めて立体感やキレを出すことです。しかし、これまでしてきた調整の影響で過剰になりがちなので、あまり上げすぎないようにしてください。

Photoshopの場合
  1. Camera Rawフィルターを開く
  2. コントラストのスライダーを調整する
  3. マスクを使用して被写体を強く、背景を弱く設定することで被写体を目立たせることができます

ワンポイントアドバイス:
写真加工に慣れてきたらトーンカーブを使用することでより精密に調整することができます。
トーンカーブで中暗部を少し下げ、中明部を少し上げると良い感じになります。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「レイヤー」→「新規補正レイヤー」→「明るさ・コントラスト」を選択
  2. スライダーを調整する
  3. レイヤーマスクを消しゴムで選択して被写体と背景で分けて設定し、被写体を強く、背景を弱く設定すると被写体が目立ちます

ワンポイントアドバイス:
髪・衣装の質感が潰れていないか、白飛び/黒潰れをしていないか、写真がギラつきすぎていないかを確認してみてください。

色味の調整

明るさが整ったら、次に色の雰囲気作りをします。
「色味を変える」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、色温度や彩度を少し調整するだけでとても見栄えがよくなります。

ホワイトバランス(色温度)

ここでの狙いは、光の「暖色(黄色っぽさ)」「寒色(青っぽさ)」を調整することです。
VRChatの写真はワールドによって照明色やシェーダーの発光色で色が偏ることが多いです。

Photoshopの場合
  1. Camera Rawフィルターを開く
  2. 「色温度」のスライダーで調整する
    • 右(+値)にすると暖色寄り(オレンジ系)
    • 左(-値)にすると寒色より(青系)
  3. 「色被り補正」も調整することで、緑やマゼンタの偏りも治せます

ワンポイントアドバイス:
暖色ワールド:少し青寄りに調整して肌を自然にする
寒色ワールド:少し黄寄りにして血色を戻す
目安として、アバターの肌や髪の色が自然に見えるように調整してみてください。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「レイヤー」→「新規補正レイヤー」→「カラーバランス」を選択
  2. 「カラーバランス」のスライダーを調整

ワンポイントアドバイス:
色温度は基本的に「イエロー・ブルー」で調整します。
ワールドによってはそのほかの部分で調整することで自然なカラーバランスになります。

彩度

ここでの狙いは、色の濃さや鮮やかさを調整することです。
彩度を上げると元気で明るい印象に、下げると落ち着いたシネマ風な印象になります。

Photoshopの場合
  1. 「イメージ」→「色調補正」→「色相・彩度」を選択
  2. 「彩度」のスライダーで調整
    • 数値+方向にすると自然な発色になります
    • 数値を-方向にすると落ち着いた雰囲気になります

ワンポイントアドバイス:
上げすぎると「アニメ調」「プラスチック感」が強くなります。
アバターと背景で分けて設定し、アバターは高め、背景は控えめにするとバランスが良くなります。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 「編集」→「色調補正」→「色相・彩度・明度」を選択
  2. 「彩度」のスライダーで調整
  3. レイヤーマスクを使ってアバターと背景に分けると自然になります

ワンポイントアドバイス:
上げすぎると「アニメ調」「プラスチック感」が強くなります。
アバターと背景で分けて設定し、アバターは高め、背景は控えめにするとバランスが良くなります。

背景の処理

次に、背景の処理に進みます。
VRChatでは、ワールドの背景がとても美しく作り込まれている反面、撮影した写真ではアバターと背景の距離感が失われやすいです。
そこで「主役を引き立てて、写真に奥行きを作る」という工程を行います。

写真を撮る際にフォーカス機能を使用している場合は、この工程は不要です。
フォーカスで背景をぼかした上にレタッチで重ねてぼかしをかけると見た目が悪くなることがあります。
また、背景含め一枚の写真として収めたい場合は弱めにかけたり、なしにすることも良い手段です。

背景をぼかす

ここでの狙いは、背景をぼかしてアバターを目立たせることです。
一眼レフで撮った写真のように、視線を被写体に集め、奥行きと空気感を出してみましょう。

Photoshopの場合
  1. 背景レイヤーを選択
  2. 「フィルター」→「ぼかし」→「ガウスぼかし」を選択
  3. 半径を”5〜25px”程度で調整(背景の細部が少し柔らかく見えるくらいが Good!)

背景レイヤーの作成方法を説明します。マルチレイヤーで撮影している方は不要です。

①「被写体を選択」をクリックします。
②不要な部分を「Alt」を押しながらツールで選択します。
③「Alt+J」で被写体をレイヤーで分けます。

Clip Studio Paintの場合(その他のソフト)
  1. 背景レイヤーを選択
  2. 「フィルター」→「ぼかし」→「ガウスぼかし」を選択
  3. スライダーで調整(背景の細部が少し柔らかく見えるくらいが Good!)

背景レイヤーの作成方法を説明します。マルチレイヤーで撮影している方は不要です。

①「自動選択ツール」を使用してアバターを選択します。
②不要な部分や足りない部分をツールで調整します。
③選択反転して「切り取り+貼り付け」を行います。

【番外編】写真を撮る時のおすすめツール

写真を撮る時のおすすめのツールを紹介します。
「VirtualLens」というツールを使用することでVRChatデフォルトのカメラよりクオリティの高い写真を撮ることができます。

  • 高品位な被写界深度シミュレーション
  • 顔・瞳検出オートフォーカス
  • より自由度の高いドローンシステム
  • 様々なカメラ位置調整機能
  • 4K撮影対応

興味のある方は以下の記事をご覧ください👇

まとめ

VRChatの写真は、そのままでも楽しい思い出になります。でも少しだけ手を加えるだけで、「記録」から「作品」に変えることができます!
今回の記事では、初心者でも挑戦しやすい3つの基本ステップを紹介しました。

1️⃣ 明るさの調整
 露光量・ハイライト・シャドウ・コントラストを使って、見やすく立体的に。
 被写体の明るさを中心に整えることで、キャラが自然に浮き上がります。

2️⃣ 色味の調整
 ホワイトバランスや彩度で雰囲気を作り、世界観を統一。
 昼なら暖色で明るく、夜なら寒色で幻想的に仕上げるのがコツ。

3️⃣ 背景の処理
 背景は主役を引き立てるためのもの。
 ぼかしを調整して、自然な奥行きを演出します。
 すでにフォーカスでぼけている写真は“整える”方向でOK。

・VRChatのマルチレイヤー撮影を使うと、背景・アバターを別々に編集できて効率的。
・「被写体を選択 → 選択範囲を調整」することで、より自然な切り抜きが可能。
・編集はやりすぎず「少し物足りないかな?」くらいで止めると上品に仕上がります。


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