VRChatで遊んでいて「アバターに合わせて声の雰囲気も変えてみたい」「RVCを試したいけれど、どのファイルをダウンロードすればいいのかわからない」と迷ったことはありませんか?
RVCボイスチェンジャーとして使える「VC Client」を導入すると、マイクに話した声をリアルタイムで変換してPC版VRChatへ送ることができます。
この記事では、Windows PCを使っている方向けに、VC Clientの選び方、VB-CABLEの導入、RVCモデルの追加、VRChatでのマイク設定、音が出ないときの確認方法まで順番に解説していきます!
この記事の手順は、Windows PC上で動かすPC版VRChat向けです。Quest単体版へWindowsの仮想オーディオデバイスをそのまま設定する手順ではありません。
RVCとVC Clientの違い
RVC(Retrieval-based Voice Conversion)は、入力した音声を学習済みの声質へ変換する音声変換方式です。一方、VC ClientはRVCなどの音声モデルを読み込み、リアルタイムで声を変換するためのアプリです。
そのため、この記事で実際にダウンロードして操作するのはVC Clientです。VC ClientへRVC形式のモデルを追加し、変換後の音声をVB-CABLE経由でVRChatへ送ります。

RVCモデルを自分で学習する作業と、配布されている学習済みモデルをVC Clientで使う作業は別です。この記事では、利用条件を確認した学習済みモデルを使う手順を扱います。
RVCボイスチェンジャーの導入前に必要なもの
- Windows PC:この記事ではPC版VRChatとWindows用VC Clientを使います。
- マイク:VRヘッドセット内蔵マイクや、PCへ接続したマイクを使用できます。
- VC Client:RVCモデルを使ってリアルタイム音声変換を行うアプリです。
- VB-CABLE:変換後の音声をVRChatへ渡す仮想オーディオデバイスです。
- RVC形式の学習済みモデル:一般的に「.pth」と、モデルによっては「.index」が含まれます。BOOTHなどで販売されています。
- ヘッドホンまたはイヤホン:変換後の声がマイクへ戻ってハウリングするのを防ぎます。
RVCボイスチェンジャーの導入方法
1.VB-CABLEをインストールする
まず、VC Clientで変換した音声をVRChatへ渡すためにVB-CABLEを導入します。
手順1:Windows版をダウンロードする
VB-CABLEの公式ページを開き、「VBCABLE_Driver_Pack」の「Download」をクリックします。Mac版ではなく、Windowsのマークが付いたボタンを選んでください。

手順2:ZIPを展開してセットアップを開く
ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選びます。64bit版Windowsでは、展開したフォルダにある「VBCABLE_Setup_x64.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選んでください。

手順3:ドライバーをインストールする
セットアップ画面が開いたら「Install Driver」をクリックします。インストール完了のメッセージが表示されたら、VB-CABLEを認識させるためにWindowsを再起動してください。

2.VC Clientをインストールする
2026年9月28日の確認時点では、公式配布ページにv2.0.78-betaとv2.1.4-alphaがあります。初めて導入する場合は、機能変更の途中にあるalpha版ではなく、まずv2.0.78-betaで動作を確認すると進めやすいです。
- NVIDIA GPUを使う場合:「vcclient_win_cuda_2.0.78-beta.zip」
- CPUやAMD・Intel GPUを使う場合:「vcclient_win_std_2.0.78-beta.zip」
比較的新しいCPUであれば、GPUがなくても動作する場合があります。ただし、VRChatと同時に動かしたときの遅延や音切れはPC構成によって変わるため、実際の環境で確認してください。
公式配布ページを開いたら、Windows向けファイルの中からPCに合うものを選びます。NVIDIA GPUを使っている場合は、次の画像の赤枠と同じCUDA版をダウンロードしてください。

3.VC Clientを起動する
次に、ダウンロードしたVC ClientのZIPファイルを展開します。展開先は「C:\VCClient」のように、英数字だけで短いパスにすると、パスに日本語などが含まれることで起きるエラーを避けやすくなります。
旧バージョンを使用している場合は、上書きせず別のフォルダへ展開してください。設定やファイルが混ざると、原因の切り分けが難しくなります。
手順1:start_http.batを実行する
展開したVC Clientのフォルダを開き、「start_http.bat」をダブルクリックします。この記事ではVRChatとVC Clientを同じPCで動かすためHTTP版を使います。別のPCから接続する構成ではHTTPS版を使用してください。

手順2:初回起動が終わるまで待つ
初回起動では必要なデータが自動でダウンロードされます。VC Clientの案内画面が表示されるまでコンソールを閉じずに待ち、表示されたら内容を確認して「閉じる」を押してください。
手順3:サンプルモデルで変換を始める
VC Clientの画面が開いたら、サンプルモデルと使用するマイクを選び、「スタート」をクリックします。マイクへ話しかけ、モニターから変換後の声が聞こえることを確認してください。

4.RVCモデルを追加する
サンプルモデルで音声が変換できたら、利用したいRVCモデルを追加します。先にサンプルで確認しておくと、モデル側の問題と音声デバイス側の問題を分けて考えられます。
BOOTHなどで販売されているものもあるので好みのRVCモデルを用意してください!
モデルの価格だけで音質は判断できません。無料・有料を問わず、配布ページの利用規約、配信や商用利用の可否、クレジット表記、再配布の条件を確認してください。第三者の声を無断で学習・利用することも避けましょう。
手順1:空いているモデルスロットを開く
モデル選択エリアにある「編集」をクリックします。モデル一覧が表示されたら、何も登録されていないスロットの「アップロード」を選んでください。

手順2:RVCモデルのファイルを選ぶ
ボイスチェンジャーの種類で「RVC」を選び、「Model」に拡張子が「.pth」のファイル、「Index」に付属の「.index」ファイルを指定してアップロードします。「.index」がないモデルは「.pth」だけで登録できます。登録後はモデル一覧へ戻り、追加したモデルを選択してください。

VC Clientを設定してVRChatで使う方法
VRChatで使うときは、音声デバイスの名前を逆に選ばないことが大切です。
- VC Clientのinput:実際に話すマイクやVRヘッドセットのマイク
- VC Clientのoutput:CABLE Input(VB-Audio Virtual Cable)
- VRChatのマイク:CABLE Output(VB-Audio Virtual Cable)
「CABLE Input」はVC Clientから音声を入れる入口、「CABLE Output」はVRChatが変換後の音声を受け取る出口です。名前が似ているので、設定画面ごとに確認してください。
次の図のように、「マイク → VC Client → CABLE Input → CABLE Output → VRChat」の順で音声が流れるように設定します。

clientとserverの違い
VC Clientの「AUDIO」にあるclientとserverは、「自分のPCか別のPCか」を選ぶ項目ではありません。
- client:ブラウザ側のマイク・スピーカー機能やノイズ抑制を利用します。
- server:VC Clientが音声デバイスを直接操作します。遅延を抑えたい場合に選択肢になります。
初めて設定する場合は、公式チュートリアルどおりclientでマイク入力と変換を確認してから、必要に応じてserverを試してください。

ピッチ・Index・Chunkの調整方法
なつき 一度に全部の数値を変えると、どの設定が効いたのかわからなくなってしまいます。まずはピッチ、次にChunkというように、1項目ずつ声を確認しながら調整してみてください!
手順1:ピッチとIndexを調整する
- ピッチ:声の高さを調整します。男声から女声、女声から男声へ変えるときも、決め打ちにせずモニターで聞きながら少しずつ動かしてください。
- Index:学習時の特徴量へ寄せる割合です。「.index」が登録されているRVCモデルで使えます。高くすれば必ず自然になるわけではありません。
まずは次の画面にあるピッチを少しずつ動かし、声の高さを決めます。そのあとIndexを調整し、元の声とのバランスを確認してください。

手順2:音切れや遅延に関わる設定を確認する
- F0 Est.:声の高さを検出する方式です。まずは初期値で試し、負荷や変換結果に問題があるときだけ別方式を比較します。
- N. Gate:ノイズゲートのしきい値です。小さな声が変換されない場合や、無音時のノイズまで拾う場合に調整します。
- Chunk:一度に変換する音声の長さです。短くすると遅延を減らしやすい一方、PCへの負荷が増えます。音が途切れる場合は、現在より長い値へ1段階ずつ上げて確認します。
- Extra:変換へ含める過去の音声の長さです。長くすると精度が上がる場合がありますが、処理時間も増えます。
- Gpu:複数のGPUが表示される場合に、VC Clientで使うGPUを選びます。
精度と遅延の両方を整えるときは、まず初期値を基準にして、1項目ずつ変更します。PCの性能や使うRVCモデルによって合う値は変わりますが、次の設定から始めると違いを比べやすいです。
最初は「F0 Est.:rmvpe_onnx」「Chunk:24000(0.5秒)」「Extra:3840(0.08秒)」「Index:0」で、声が途切れず変換できるか確認します。安定して動いたらIndexを0.3へ上げ、遅延を減らしたい場合だけChunkを1段階短くしてください。
| 設定 | おすすめの開始値と調整方法 |
| F0 Est. | まずは「rmvpe_onnx」を使います。処理が間に合わず音切れする場合は、GPUが選ばれているか確認してから、軽量な「dio」も比較してください。 |
| ピッチ | 最初は0です。声域が大きく離れたモデルでは、男声から女声を+12、女声から男声を-12の目安から試し、1〜2ずつ戻しながら自然に聞こえる位置を探します。 |
| Index | まず0で動作を確認し、「.index」があるモデルは0.3から試します。モデルらしさが弱い場合は0.1ずつ上げて0.5程度まで比較し、ノイズや金属っぽさ、処理時間が増えたら前の値へ戻します。 |
| N. Gate | 最初は-100のままにします。無音時の環境音まで変換される場合だけ少しずつ上げ、小さな声の語尾が消えたら1段階戻してください。 |
| Chunk | 安定性を確認する開始値は24000(0.5秒)です。音切れがなければ、12000(0.25秒)が選べる環境では1段階下げて遅延を比較します。声が途切れたら24000へ戻します。 |
| Extra | まずは3840(0.08秒)のまま使います。声の輪郭が不安定で、処理時間に余裕がある場合だけ1段階長くします。処理が重くなった場合は元へ戻してください。 |
| Gpu | NVIDIAやAMDの対応GPUがある場合は、実際に搭載されている「gpu0」などを選びます。「cpu[-1]」のままではCPU処理になるため、GPU版を使っている場合は選択先を確認してください。 |
おすすめの調整順は、ピッチ → Index → Chunkです。まずピッチで声の高さを合わせ、次にIndexでモデルらしさを調整します。声質が決まってからChunkを短くすると、音の変化と遅延の変化を分けて確認できます。
- 初期値のまま、毎回同じ短い文章を話して変換後の声を確認します。
- ピッチを1〜2ずつ動かし、声の高さを決めます。
- Indexを0から0.3へ上げ、必要なら0.1ずつ調整します。
- 最後にChunkを1段階短くし、遅延と音切れを比べます。途切れた場合はすぐ前の値へ戻します。
モデル配布ページに推奨値が書かれている場合は、その値を優先してください。Chunkを大きくすると処理効率は上がりますが、変換開始までの待ち時間も長くなります。Extraを長くすると変換精度は上がりますが、処理時間も増えます。
音が途切れる場合は、次の画面を開いてChunkを1段階ずつ長くします。設定を変更するたびに同じ言葉を話し、音切れと遅延の変化を比べてください。

VRChatでマイクを切り替える
まずVC Clientで使用するRVCモデルを選び、「スタート」を押します。次にVRChatのクイックメニューから音声設定を開いてください。ビルドによっては「Settings → Audio & Voice」と表示されます。
マイク入力で「CABLE Output(VB-Audio Virtual Cable)」を選びます。選択後はVRChatのマイクテストや音量メーターを見ながら話し、変換後の声が届いていることを確認してください。

RVCで音が出ない・途切れるときの対処法
start_http.batが起動しない
- ZIPファイルの中から直接起動せず、先にすべて展開します。
- 「C:\VCClient」のような英数字だけの短いパスへ展開します。
- 旧バージョンへ上書きせず、新しいフォルダへ展開します。
- 初回ダウンロード中はコンソールを閉じず、エラー表示を確認します。
- セキュリティソフトの警告が出た場合は、配布元URLとファイル名を確認します。原因確認なしに保護機能全体を無効化しないでください。
VC Clientでは変換できるのにVRChatへ届かない
VC Clientのoutputが「CABLE Input」、VRChatのマイクが「CABLE Output」になっているか確認します。Windowsのマイク権限や、VRChat側の入力音量も合わせて確認してください。
原因がわからない場合は、VC Clientの解析機能や録音機能を使い、「元のマイク音声」「変換後の音声」「VB-CABLEへ送った音声」のどこで止まっているかを順番に切り分けます。
音が途切れる・遅延が大きい
- Chunkを現在より長い値へ1段階ずつ上げ、音切れが減るか確認します。
- F0 Est.を別方式へ変更し、負荷と声質を比較します。
- VRChat以外の重いアプリを終了します。
- NVIDIA GPUを搭載している場合はCUDA版を使っているか確認します。
- AMD GPUでは対応するDirectML・ONNX構成になっているか確認します。
serverモードを使っている場合は、「詳細設定」のパフォーマンスモニターや出力バッファも確認します。値を大きくすると安定する場合がありますが、そのぶん遅延も増えるため、1項目ずつ変更してください。

声が二重になる・ハウリングする
スピーカーから出た変換音をマイクが拾うと、声が二重になったりハウリングしたりします。モニターにはヘッドホンやイヤホンを使い、WindowsやVRChatで元のマイク音声を同時に出力していないか確認してください。
切り分けるときは、まずVC Clientの入力・出力録音で変換前後の音を確認し、次にVB-CABLE、最後にVRChatの順で確認すると原因を見つけやすくなります。
RVCモデルを使うときの注意点
RVCは声の表現を広げられる便利な技術ですが、モデルごとに利用条件が異なります。配信、動画、収益化、VRChatでの利用が許可されているか、配布ページの規約を必ず確認してください。
本人の許可なく第三者の声を再現したり、別人になりすましたりしないでください。変換した音声の利用については、ツールだけでなく使用者自身にも責任があります。
RVCとVC ClientでVRChatの声を変えてみよう
VC ClientへRVCモデルを追加し、変換後の音声を「CABLE Input」へ出力、VRChatでは「CABLE Output」をマイクとして選べば、PC版VRChatでリアルタイムボイスチェンジを使えます。
最初から完璧な声を目指して設定を大きく変えるのではなく、サンプルモデルで音声経路を確認してから、ピッチやChunkを1項目ずつ調整してみてください!
VRChat側でマイクが反応しない場合は、音声設定の確認方法をまとめた関連記事も合わせてご覧ください。
普段はVRChatを無言勢として遊んでいる筆者。先日、お仕事の関係でマイクを使わなければいけない場面があったの














環境によってはstart_http.batがブロックされる場合があります。
管理者として実行を選択することで実行できますが、カレントディレクトリがC:\Windows\System32になってしまう場合があります。
黒い画面が出ない、あるいは一瞬出てすぐ閉じてしまう場合は、start_http.batの先頭にcd /d %~dp0をつけると実行できます。