BOOTHで購入したアバターや衣装の説明に「Poiyomiが必要です」と書かれていて、「Poiyomiって何?」「先に入れないとダメなの?」と困ったことはありませんか?
VRChatの改変を始めたばかりだと、Unity、マテリアル、シェーダー……と知らない言葉が一気に増えて、不安になりますよね。
Poiyomi Toon Shaderは、VRChatのPC向けアバターでよく使われているシェーダーです。アバターの色や影を整えるだけでなく、金属のようなツヤ、発光、リムライト、アウトラインなど、いろいろな見た目を作れます。
この記事では、Poiyomiの特徴とlilToonとの違い、ALCOMからの導入方法、基本設定、うまく表示されない時の確認ポイントまで紹介していきます!
なつき Poiyomiは設定項目が多く、最初はびっくりするかもしれません。最初から全部を触る必要はないので、まずは導入と表示の確認から進めてみてください!
Poiyomi Toon Shaderとは?

Poiyomi Toon Shaderは、UnityのBuilt-in Render Pipeline(標準の描画方式)に対応した、VRChatでよく使われているシェーダーです。
シェーダーとは、簡単にいうと「3Dモデルを画面にどう描くか」を決める仕組みです。同じテクスチャを使っていても、シェーダーの設定によって、やわらかいトゥーン調にも、金属らしい質感にも、暗い場所で光る見た目にもできます。
無料版のPoiyomi Toon Shaderはオープンソースで公開されており、公式VPMリポジトリ、GitHub、BOOTHから入手できます。
VPMリポジトリとは、VCCやALCOMからパッケージを追加・更新するための配布先です。初めて導入する方は、バージョンを管理しやすい公式VPMリポジトリを使う方法がおすすめです。
有料の「Poiyomi Pro」もありますが、BOOTHアバターの説明に単に「Poiyomi」と書かれている場合は、無料版のPoiyomi Toon Shaderで足りることが多いです。「Poiyomi Pro必須」と明記されている時だけ、販売元の案内を確認してください。
lilToonとの違い
VRChatのアバター改変では、Poiyomiと同じくらい「lilToon」という名前もよく見かけます。
lilToonは日本のBOOTHアバターや衣装で広く使われており、日本語の情報を探しやすいシェーダーです。Poiyomiは海外製アバターや演出系アセットでも採用例が多く、細かなライティングや特殊表現を作り込みやすいのが特徴です。
| 項目 | lilToon | Poiyomi Toon Shader |
| よく見かける場面 | 日本のBOOTHアバター・衣装 | 海外製アバター・演出系アセット・Poiyomi指定衣装 |
| 初心者の扱いやすさ | 日本語情報が多く始めやすい | 項目が多いため最初は迷いやすい |
| 得意な表現 | トゥーン表現から幅広い改変まで | ライティング、発光、MatCap、特殊表現 |
| PC版VRChat | 使用できる | 使用できる |
| Android・Quest版 | PC版と同じシェーダーは使えない | PC版と同じシェーダーは使えない |
大切なのは、「どちらが上か」ではなく、使いたいアバターや衣装がどちらを前提に作られているかです。
lilToonとPoiyomiを同じUnityプロジェクトへ入れること自体はできます。ただし、ひとつのマテリアルが同時に使えるシェーダーは基本的にひとつです。顔はlilToon、Poiyomi指定のアクセサリーはPoiyomi、というようにマテリアルごとに使い分けます。
シェーダー、テクスチャ、マテリアルの違いから知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
VRChatで色を変えたい(色改変)をしたいと思ったことはないですか?そんな人に向けて色改変を知識を伝えます!シェーダー・テクスチャ・マテリアルなど詳しく説明しているので、知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ALCOMでPoiyomiを導入する方法
ここからは、ALCOMを使ってPoiyomi Toon Shaderを導入します。VCCを使っている場合も、公式VPMリポジトリを追加してからプロジェクトを管理する流れは同じです。
1. Unityを閉じてバックアップを取る
最初にUnityを閉じ、対象プロジェクトのバックアップを取ります。すでに改変を進めているプロジェクトへシェーダーを追加する時は、特に大切です。

ALCOMでは、プロジェクト一覧の「バックアップ」からバックアップを作成できます。容量が大きい時は、プロジェクトフォルダを別の場所へコピーしても大丈夫です。
2. 公式サイトからVPMリポジトリを追加する
Poiyomi公式サイトを開き、「Add to ALCOM」を選びます。VCCを使う場合は「Add to VCC」を選びます。

追加後、リポジトリ一覧にPoiyomiが表示されれば準備完了です。

3. 対象プロジェクトへPoiyomi Toon Shaderを追加する
ALCOMのプロジェクト一覧から、対象プロジェクトの「管理」を開き、「Poiyomi」で検索します。「Poiyomi Toon Shader」を選び、追加してください。

同じ一覧に「Poiyomi Pro」が表示されますが、こちらは有料版です。無料版とPro版は一緒に入れず、使いたい方だけを入れましょう。Pro版にはToon版の機能が含まれています。
4. Unityを開いて表示を確認する
追加が終わったらUnityを開き、Poiyomiを使っているマテリアルが正しく表示されるか確認します。

今回はカーディガン用マテリアルを複製し、複製したマテリアルにのみPoiyomiを設定しました。

元マテリアルを直接変更すると、設定を戻したい時に困ってしまいます。初めて試す時は、マテリアルを複製してからシェーダーを変更するのがおすすめです。
UnityのConsoleに赤いエラーが出ていないことも確認しましょう。エラーが出る場合は、Unityを再起動する前に内容を控えておくと原因を探しやすくなります。
Unityのエラーの見方がわからない時は、こちらの記事も参考にしてみてください。
VRChatを始めて「New Userになったからアバターをアップロードするぞー!」って時に「改変がうまくいかない」や「Unityのエラー」などでアップロードができないってことはありませんか? この記事では、そんな方に向 …
BOOTHやGitHubから手動で入れる方法もある
PoiyomiはBOOTHとGitHub Releasesからも入手できます。


ただし、初心者の方には、更新やバージョン管理をしやすい公式VPMリポジトリ経由がおすすめです。アバターのReadmeで特定のunitypackageを使うよう指定されている時だけ、その案内を優先してください。
Poiyomiの基本的な使い方
Poiyomiは設定項目が多く、アバターや衣装の雰囲気を細かく作り込めるのが特徴です。ここでは、改変で使うことの多い項目を見ていきましょう。
マテリアルを複製してPoiyomiへ変更する
すでに別のシェーダーで作られているマテリアルは、最初に「Ctrl + D」で複製してから作業します。元のマテリアルを残しておくと、見た目が崩れた時にもすぐ戻せます。
複製したマテリアルを選び、画面右側のInspector(インスペクター)上部にある「Shader」から「.poiyomi → Poiyomi Toon」を選択してください。

シェーダーを変更した後は、テクスチャ、色、透明度、Emission、MatCapなどが想定どおりに引き継がれているか、ひとつずつ確認しましょう。
色・テクスチャ・ノーマルマップを調整する
「Color & Normals」には、基本色、メインテクスチャ、透明度、ノーマルマップなどの設定がまとまっています。

衣装の色を変えたい時は、まずこの項目を確認します。元のテクスチャを残しながら色を重ねられるので、簡単な色改変にも便利です。
ノーマルマップは、ポリゴンを増やさずに布目や凹凸があるように見せるための画像です。衣装に付属している場合は、販売元の設定済みマテリアルを参考にしましょう。
影と明るさを調整する
「Shading」では、トゥーン調の影の入り方や境界を調整できます。「Light Data」では、ワールドの照明をどのように受けるかを整えられます。


暗いワールドで顔が暗くなりすぎる、明るい場所で白飛びする、といった時に役立つ項目です。ただし、明るさを上げすぎると周囲の光から浮いて見えることもあります。VRChat内でいくつかのワールドを回りながら確認するのがおすすめです。
Poiyomiで使える主な表現
Poiyomiでは、金属やツヤの表現に便利なMatCap、輪郭付近を光らせるRim Lighting、暗い場所でも光って見えるEmission、キャラクターの外側に線を付けるOutlineなども使えます。
「アクセサリーを金属らしくしたい」「ライブ衣装を光らせたい」「アニメらしい輪郭を付けたい」といった改変と相性がいいです。
ただし、機能を増やすほど必ず見栄えがよくなるわけではありません。最初は配布マテリアルの設定を残し、必要な項目をひとつずつ調整すると失敗しにくいです。
Poiyomiの代表的な機能と設定例
Shadow Strengthで影を調整する
「Shading」にある「Shadow Strength」では、シェーダーによる影の強さを調整できます。比較する時は、アバター、カメラ、ライト、背景を固定し、1回につき1項目だけ変更すると違いがわかりやすいです。
| Shadow Strength | 見え方の目安 |
| 0.0 | シェーダーによる影がほぼ適用されない |
| 0.5 | 影を半分程度に抑えた見え方 |
| 1.0 | 影が最大まで適用される |



影が濃すぎる時は、まず0.5付近から少しずつ調整してみてください。影の境界は「Blur」でも変えられますが、ワールドの光源やLight Dataによっても見え方が変わるため、VRChat内でも確認しましょう。
Emissionで発光させる
Emissionは、目、衣装のライン、アクセサリーなどを明るく見せたい時に使います。「Special FX → Emission 0」を開き、発光色、発光させたい部分を指定するMask、「Emission Strength」を設定します。
| Emission Strength | 見え方の目安 |
| 0.0 | 発光なし |
| 0.5 | 色を少し明るく見せる |
| 1.0 | はっきりした発光 |
| 2.0以上 | Bloom対応環境で強い光が出やすい |



Emission Strengthを上げるとマテリアル自体は明るくなりますが、光が周囲へにじむBloomはワールド側の設定です。値を上げすぎると白飛びや眩しさにつながるため、明るいワールドと暗めのBloom対応ワールドの両方で確認してください。
MatCapで金属感やツヤを加える
MatCapは、質感画像をモデル表面へ投影して、金属感、ツヤ、ラメのような見た目を加える機能です。「Shading → Matcap 0」へテクスチャを設定し、「Intensity」で強さを調整します。
| Intensity | 見え方の目安 |
| 0.5 | 元の色を残した控えめな質感 |
| 1.0 | MatCap本来の標準的な強さ |
| 2.0 | 明るく強い質感 |



衣装全体へMatCapを適用すると、布や肌まで金属のように見えることがあります。金属パーツだけに使いたい場合はMaskを設定し、白い部分だけへMatCapが出るように調整しましょう。
アウトラインを設定する
Poiyomi 9.0以降では、通常の「.poiyomi → Poiyomi Toon」にある「Outlines」から輪郭線を設定できます。最初は「Outline Size」を小さな値から調整してみてください。



0.25や0.5は違いを確認するための比較値であり、すべてのアバターに合うおすすめ値ではありません。近くでちょうどよく見えても、離れると太く見えることがあるため、顔のアップと全身が見える距離の両方で確認しましょう。
LockとAuto-Lockについて
Poiyomiには、使用していない機能を省いた最適化済みシェーダーを生成する「Lock」機能があります。
VRChatへのBuild/Upload時にはAuto-Lockが自動的に実行されるため、手動でのLockは必須ではありません。
ただし、アップロード前にLock後の見た目やアニメーションを確認したい場合は、手動でLockしておくと安心です。

設定を直したい時は「Unlock Shader」で解除し、編集後にもう一度Lockします。アバターへアップロードする直前の確認の際に、Lockできているか確認しましょう。
表示がおかしい時と導入後の注意点
Poiyomiを入れたのに表示がおかしい時は、慌てていろいろなシェーダーを上書きせず、順番に確認していきましょう。
アバターがピンク色になる
Unityでアバターや衣装が鮮やかなピンク色になる場合は、マテリアルが使おうとしているシェーダーをUnityが見つけられていない可能性があります。

まずは、Poiyomi Toon Shaderが対象プロジェクトへ追加されているか確認してください。それでも直らない時は、商品説明やReadmeに書かれているPoiyomiのバージョン、アセットのインポート順、マテリアルのShader欄を確認します。
Poiyomiを入れたのにシェーダー一覧へ出てこない
VPMリポジトリを追加しただけでは、UnityプロジェクトへPoiyomiは入りません。ALCOMまたはVCCで対象プロジェクトの管理画面を開き、「Poiyomi Toon Shader」を実際に追加したか確認してください。
追加直後はUnity側でパッケージの読み込みに時間がかかることがあります。右下の処理が終わるまで待ち、Consoleに赤いエラーが出ていないかも確認します。
Emissionを上げても光がにじまない
Emissionはマテリアル自体を明るくしますが、光が周囲へにじむBloomはワールド側の設定です。Emission Colorが黒になっていないか、Strengthが0になっていないか、Maskの対象部分が白になっているかを確認し、Bloom対応ワールドでも見てみましょう。
アウトラインが太すぎる・途切れる
太すぎる場合は「Outline Size」を下げます。遠距離で太く見える場合は、距離による太さを調整する「Fixed Size Over Distance」と「Fixed Size Max Distance」も確認してください。
メッシュの角で線が途切れる場合は、アウトライン設定だけでなく、メッシュの法線や頂点カラーが関係している可能性があります。メッシュへ変更を加える機能を試す前に、必ずバックアップを取ってください。
古いPoiyomiへ手動で上書きしない
古いPoiyomiが入っているプロジェクトへunitypackage版を手動で入れ直す場合は、公式案内に従い、古い「Assets/_PoiyomiShaders」フォルダを削除してからインポートします。
上書きすると新旧ファイルが混ざり、不具合の原因になることがあります。作業前のバックアップも忘れないでください。
Quest・Android版では同じ見た目にならない
Poiyomiは、VRChatのPC版アバター向けに使われるシェーダーです。Android・Quest向けアバターで使用できるのは、VRChat SDKに含まれる「VRChat/Mobile」系シェーダーに制限されています。

そのため、PC版でPoiyomiを使った見た目を、そのままQuest版へ持っていくことはできません。Quest対応アバターでは、PC版とは別のマテリアルや設定が用意されているか確認しましょう。
BOOTHアバターに「Poiyomi必須」と書かれていたら?
まず、商品説明と同梱Readmeで推奨バージョンを確認します。特に指定がなければ、公式VPMリポジトリから無料版のPoiyomi Toon Shaderを追加し、そのあとでアバターや衣装をインポートする流れがわかりやすいです。
「Poiyomi Pro必須」と書かれている場合は、無料版では再現できない機能が使われている可能性があります。無料版へ置き換えず、販売元の説明を優先してください。
まとめ
Poiyomi Toon Shaderは、VRChatのPC向けアバターで使われる高機能なシェーダーです。色や影だけでなく、MatCap、リムライト、発光、アウトラインなど、いろいろな表現を作れます。
lilToonとPoiyomiは、どちらか一方が優れているというものではありません。購入したアバターや衣装の指定に合わせて選べば大丈夫です。同じプロジェクトへ両方を入れ、マテリアルごとに使い分けることもできます。
導入する時は、次の4点を覚えておきましょう。
- 作業前にUnityを閉じてバックアップを取る
- 公式サイトのVPMリポジトリを使う
- Poiyomi Toon ShaderとPoiyomi Proを一緒に入れない
- 設定が終わったマテリアルはLockする
BOOTHアバターに「Poiyomi必須」と書かれていても、順番に進めればむずかしくありません。まずはReadmeの指定を確認して、必要なバージョンを入れてみてくださいね!







